太陽光発電の設置で注意すること

太陽光発電の性能判断

太陽光発電システムの各社カタログに出てくる用語は、ある程度統一されています。これは太陽光パネルの性能を判断するための必要な用語となっているわけです。


前項で3つ挙げましたが、「公称最大出力」は、1枚の太陽光パネルが発電可能な最大電力もことです。「定格出力」もほぼこれと同様と思ってください。「変換効率」は、太陽から光エネルギーを太陽光パネルが受け、それを電力に変換する比率(割合)を示したものです。


この数値が高い方が単位面積当たりの電力出力が高いパネルになります。つまり高効率太陽光パネルということです。単位面積当たりが高出力な太陽光パネルなら、当然発電量も多いということで、理論的には設置費用が早く回収できるシステムと考えてもおかしくありません。


難しいのは、それがそう単純に正解と言えない点なのです。これが太陽光発電の選択の難しい点です。カタログ表記の変換効率というのは、国際規格条件に基づいて測定されたものです。従って太陽光パネル自体にとって理想的測定条件における数値なのです。


つまり実際に太陽光パネルを設置した状態とは違うということです。設置した条件によってはデータとかなり異なる場合もあるのです。


太陽光パネルはその特性上、設置されても自然環境に大きく左右されます。晴天日、曇天日、雨天の日もあります。夏の日差しの強い季節も、日差しが弱い冬もあります。それ以外にも隣の建物の影響で日照時間が少なくなっている場合もあります。このように条件がいろいろ異なるわけで、それで比較するのが難しいのです。まずは、カタログ性能は、実際には大きく異なる可能性があることを留意してください。


「投資費用が早く回収できる」ことを重視しているなら、やはり「実発電量」を確認しなければなりません。「公称最大出力」、「定格出力」、「変換効率」などの変換効率よりも「実発電量」が重要なのです。太陽光パネルを設置して実際に発電した値が「実発電量」であり、これがわかれば、より的確な選択ができます。